エピソード3 耐え難きを耐え、偲び難きを忍ぶ
さて、なぜ「先に同居する」ことが正解だと思ったのか。
これほどにもすぐに色々起こるとは思ってなかったけど、色々あって性格がよく分かったからだ。本当は逆を期待してたんだけど…
1.「来てくれてありがとう」ではなく、「来て当然」的な態度。
2. 僕がどう対応するか上から目線で評価しようとしたり試そうとしてくる。
3. 義家族の生活ペース、生活パターンそのままに、ボクが追加されただけの生活。
4. 若夫婦は親のいうことに従うべきという謎の支配。マウンティング。
5. 嫁よ、君はなぜ嫁ではなく「娘」でいるんだ??
上の2つは全然カワイイもので、他にもたくさんあるんだけれども書いたら100を超えそうだから大胆に端折った。1や2、その他端折ったエピソードは後々書いていこうと思う。
大問題は3と4と5。これに尽きる。
まず3!これはいけない。いただけない。今回はこれだけのエピソードを書く。
前々から婿養子希望だ同居希望だという考えがあるなら、世間様はそれがうまく行くようにどんな工夫をしているか聞いたり、自分たちなりに考えたりすれば良いと思ったのだが、何の工夫もなし。嫁はボクがどうしたいか、現状はどうかなんて聞いてくるそぶりもなかったし。そんな話をしてもウンウンと聞くだけで何も変わらなかった。
せめて居間を分けるとか、食事は別々にするとか気を使ってくれるだけでも全然違ったんだけどなぁ。気が回ってなさそうだったからその提案をしたのに、聞いてくれないなら意味がない。
・食事も気をつかう
これはびっくりしたことだが、食事中に会話もなく淡々とご飯を食べる。つまらない。みんなで栄養を補給しています、という感じ。義家族は口数が少なく冗談も通じないという雰囲気だから、(ボクもそんなにおしゃべりではないけれど冗談は好き)冗談を言っても空気が冷え冷え。冗談を言ってもグサっとくる重苦しい返しがくるだけだから、ボクは喋らなくなった。貝になった。
実家での食事は、みんな帰りがバラバラだから別々に食べるんだけど、居間で食べるから一緒に食べなくても誰かしら同じ部屋にいる。今日は何をしただとか色々とくだらない会話したり、いわゆる一家団欒があったから、それが普通だと思っていた。
・食べ物の違い
関東の醤油辛い食べ物、特に料理は嫁ではなく老齢な義家族がやっていたから、さらにしょっぱい。牛肉なんてほぼなく、菜っ葉や魚とかばかり。ボクは西の方出身だからそんな醤油辛いのはあんまり食べないし、地域も違えば年齢も違い食事の好みも違うんだし。
食事がつまらないと、生きている充足感すら無くなるんだわ。不思議だけど。
食事が苦痛になる。生き物にとって、飯を食うことは生きる上でかなり大きなウェイトを占めると思うんだが、これが苦痛になるとね…。
耐えられないから食事は別にしようって嫁に話をした。嫁はそれを義父にも提案してくれたんだが、「せっかく3人で生活してるんだから3人で食べよう」と返されたらしく、その意見をボクに持ってきた。
だから違うって!そうじゃないそうじゃない!
・足を延ばす場所がない
小さな居間があるんだけど、嫁も義父も黙ってテレビを見ているか寝ているか。
足も伸ばせないし、会話もないし、耐えられなかった。重苦しいのだ。話をしても何故か嫁は小声でモソモソと答える。会話にならない…
ある日、耐えられないので自分の仕事部屋に行ってネットをしてた。くだらないまとめサイト読んだり、Youtube見たり、映画を見たりしてた方が気楽なわけだ。足も伸ばせるし。
そしたら嫁が来て「一人でこもってないでみんなでテレビ見ようよ」と声をかけてくれた。何とも複雑な心中だった。
その居間でくつろげないから、こうやって映画観ながら羽を伸ばしているのに、またあの居間へのお誘いなのだ。出兵招集の赤紙がきたような気分だった。嫁なりに気を使ってくれてたのは分かってたけど、ボクを誘う気遣いではなく、義父に自分の部屋に行ってもらう気遣いをして欲しかったな。
・風呂の順番
ボクは晩御飯を食べたらすぐにでも風呂に入って(もしくは風呂→飯)、歯を磨いて、いつでも寝れる体制を整えたいわけだ。それがこれまでの生活リズムだっただけで理由はないけど。
嫁家での最初の日、晩飯を食べた後に嫁も義父も居間で会話もなくテレビを見て、ウトウトし始めた。ボクはその時間にウトウトしないから、さっさと風呂に入りたいのだ。だから、嫁に聞いた「ねぇ、風呂に入りたいんだけど?」と。
そうすると「お父さんが入るまでまだ待ってて」と。
目の前の義父は寝ている。いつ起きて風呂に入るのだろうか?もちろん、嫁も寝ている。ボクは何もすることがない。足も伸ばせない。
結局、ボクが風呂に入れたのは22時を回ったくらいかな。
だいたいそんなペースで動いているらしい。
そこで問題が起きるわけだ。
ボクが風呂から上がって、その後に嫁が風呂に入って髪を乾かしたり色々やっていると嫁が布団に入るのが23時をすぎるのだ。遅い時は日付が変わるか変わらないかくらい。
子供を欲しいから頑張りたいのだが、なにぶん遅くなってしまうこともあり、他の夫婦と比べるとだいぶ回数は少なかったように思える。
ちなみにまだ子供はいない。
なお、ここまではただ気になった程度でジャブでも何でもない。
・ルールに沿わないと怒鳴る義父
有りえないんだけど、事実は小説よりも奇なり。
義家族のルールに沿ってないということで、義父が怒鳴ったことがあるんだ、ボクに。
まぁ、そんなとき、嫁はどうしていたかというと、黙ってしょげてた。
普通、そんな自分の親を止めるのが嫁の役割だと思うんだけど、その姿を見て力が抜けたね。
小さなことでギャンギャン怒鳴っている親をなんとも思わないのかな?と思ったよ。
ボクの中では一つ屋根の下にいても、僕と嫁は夫婦で1世帯、義父は1世帯と思っていた。だから余計な干渉はされたくなかった。父娘を引き剥がさないで済むように、ボクがマスオさんになっただけで、その家に入っていくらかは合わせないといけないこともあるけれど、その家のルールに従うなんてこれっぽっちも思っていない。今さら自分の色をガラっと変えることもできないし、今後子供ができて家庭が大きくなれば、妙なルールで子供を締め付けて欲しくないし、夫婦の色ってもんがあるわけだし。そんな風に思ってた。
申し訳ないけど、嫁家は何がそんなに偉いんだろう。なんだか、自分達が1番!自分達がルール!みたいな態度を押し付けられてもね…
それにボクは常識的に考えて怒鳴られるようなことはやってないし、ただ義父が機嫌が悪くて色々とボクに言いがかりをつけて来たような状況だった。正確に言えば、義父に非があるけれどそれを認めたくないから怒鳴ったのさ。
どんな歳のとりかただよって笑ってしまう。
そして、嫁よ、少しは間に立つ意識を持ってくれ。
いや、もうそれを期待する必要はなくなったんだけどね。
これはやたらとマウンティングをしたがるってことで4にも関連するんだけど、なんか受け入れきれなかったね、こういうの。
嫁が娘のままってことで 5にも関連するけど。
結局、些細なことと思われていたのかもしれないが、ボクが嫁に相談をしても、「これがうちの生活ペースだから」というような返答が多く、何も改善策は生まれなかった。
些細なストレスが積もりに積もった結果どうなるか?人はうつ病になったり精神的に病んでしまうのだ。まさか自分が心療内科にかかるなんて微塵も思っていなかった。 鬱病なんて他人事、なんて思ってた。
実家のご近所さんなんて、息子夫婦が同居してくれるってことになったからと云うことで息子夫婦用の家を建てたりする人もいれば、「同居ってどう?」って色々と人に相談してる人もいたし。婿養子に行った人やマスオ数名に「どう?」って話を聞いたら、上げ膳据え膳でこっちが申し訳なくなるくらいだよと笑ってた。
上げ膳据え膳?
BMW買ってもらった?
家建ててもらった?
は?
エピソード2 先に同居するという選択肢
ボクと嫁は数年付き合ってからの結婚だ。
自分でも思ってたし、まわりからもよく言われたけど、「長くない?まだ結婚しないの?」と。
でもね、ダラダラしてたわけではないんだよ。
嫁は父親と二人暮し。
婿養子希望!
付き合い始めて、親に紹介されたとき、その父親から言われたわけだ。
「うちは婿養子じゃないとダメだから!」と。
ボクは遠くから関東に就職した末っ子。
親戚にも婿養子として入ってきて頭がツルッパゲになった人がいるから、婿養子なんていくらお金を積まれてもYESとは言わない。
でもね、お互い好きになってしまったから、そんな婿養子どうのこうのなんて言われてもね。
付き合う前に嫁は、それは気にしなくていいって言ってたんだ。
だから、その程度の感覚で婿ムコって言ってるなら、まぁ軽そうだしいいか、なんて軽く考えてた。
さて、話を戻すけれど、まだ付き合ってたときだけど、新卒から勤めてた会社を退職したんだ。その後に会社を作った。
そこがポイントだと思ったから、嫁さんに結婚しようってプロポーズした。
その時、嫁は実家住まい、ボクは勤め先の寮に住んでたけど、退職したから出なきゃいけないわけで、会社を起こす準備もあるから一旦遠くの実家に戻った。
関東に就職して数年間、外の飯を食って、久々の実家住まい。それまでは盆正月に帰省する程度だったからね。
そりゃあ居心地はいいですわ。
そこで問題。
さて、ボクたちはどこに住むのが正解でしょうか?
嫁さんの方は婿養子希望とまで言ってるわけだし、仕事も辞めずに続けたいと言ってる。親一人子一人の家族をひっぺがすわけにもいかないし…将来的には嫁家族は同居を希望している。
ボクが嫁さんちか嫁さんちの近くに夫婦で住むしかないんだけどね。
ボクの方の親は、「せっかく帰ってきたところだけど、二人が幸せになってくれるならどこでも良いんじゃない。あんたの部屋は猫が使ってるし。」と言っていた。外で飯を食ってたわけだし、親はなんも言わない。
…ということで、「婿養子にはならず、嫁さんちに住む」という結論を出した。
マスオさん誕生の瞬間である。
最初から完全同居です。
漢気を感じる方もいるかもしれないけど、これはどれだけ選択肢を後々まで残せるかの話だから、漢気なんか微塵もない。逆に女々しいレベルの駒の進め方なのだ。
よく考えてほしい。
だいたい同居にいたる流れは、アパートやら社宅で新婚生活、ある程度経ってから親との同居を提案されるわけだ。それまで義家族から良くしてもらってたとかもあるだろうし、イヤと言いたくてもそれまで同居してイヤなことを経験したわけじゃないからただイヤイヤっていうワガママみたいになると思うんだよね。
いわゆる、理由なきイヤイヤ。
そこで同居すると、おそらくそこからの同居解消は難しい、多分。家族という形が出来上がっているからなおさら。だから嫁さんが出てったりするんだな。それしか方法がないから。
自分だけバッドエンド。
では、先に同居をすればどうだろうか?
パターン1
義家族が本当に良くて、気をつかってくれて、特に干渉もしない、ルールがあって自分の生活ペースで生活できるような理想的生活であればそのまま同居すれば良い。
みんなハッピーエンド。
パターン2
義家族が合わない場合。過干渉だったり、人に気をつかわないどころか新しい人手みたいな扱いだったら…具合が悪くなるようだったら…
同居をやめれば良い。
まだまだ夫婦としてこれからという状態なら、夫婦の幸せのために2人で外で生活するというカードを使えば良いわけだ。
さらに、同居が難しいことが分かっているから、将来配偶者が同居を打診してきてもきちんと断る理由があるわけだ。
逆に聞くこともできる、「以前同居してあんなだったでしょ?うまく同居できるって思う理由はあるの?」と。
義家族も自分ら夫婦もドロー。
これはボクの持論だけどね。ボクは考えて先に同居する方を選んだ。
さすがに嫁にはこんな具体的な話はしていないけど。
駒をどう進めるか考えると、後々まで選択肢を残しておける駒の進め方が良いと思った。
同居すれば義家族の性格も分かるし、この選択肢で正解だったと今は思っている。
なぜ正解と思ったか、言うまでもないけど。この続きは次回書くとしよう。
エピソード1 「人を呪わば穴二つ」同居を希望するならお互いの覚悟が必要。
ボクは30代男。
まわりからはマスオと呼ばれていたから名前はマスオにしておこう。
小さなコンサルタント会社をやっている。
嫁は姉さん女房。恋愛結婚。仕事もしている。
今後整理して書いていくつもりだけど、嫁家での同居ストレスで精神を病んでしまい、ボクは実家に戻って療養中だ。同居ではよくあるようだけど、軽いうつ病と適応障害。
だいぶ回復して少し元気になってきたから、これまでのことやこれからのこと、色々と考えることがでてきそうだから、ここに残していこうと思う。
(もちろん、賛否両論あるだろうけど、コメントをいただけたら嬉しい。)
あとは、これをあとで読んで、
「こういうこともあったなぁ、でも良い意味でもう必要ない」(全削除ポチっ!
…とできる日が来ることを祈って。
同居って、元々の住人家族が「人を呪わば穴二つ」みたいな覚悟を持たないとうまく行かないと思う。人を呪うなら相手の墓穴と自分の墓穴の二つの穴を掘っとけよってことね。
同居は外から入ってくる人(お嫁さんが多いだろうけど、マスオさん婿養子さんも)が苦労することが多い。言うまでもないけど、要はデメリットだらけなわけさ。
デメリットばかりで苦労するんだ、それを外から入ってくる人に負担させるのはいかがなものでしょうな?
義家族との間に立つ人がシャキっとしていなきゃうまくいくわけがない。さらに理想を言えば配偶者を労ってくれるとかね。
サザエさん一家でいうならば、サザエさんが磯野家とマスオさんの間に立つ人。
外から入ってきて苦労苦労、遠慮と我慢の上での生活と比べたら、自分の親にビシッと意見を言うくらい屁でもないでしょう。
こちとら冷蔵庫を開けることすら気をつかうんだ。
同居をしたいなら、ルールを作ったり、これまでと生活ペースを変えたり、うまくいくように工夫することくらいあるのではないだろうか?
穴を二つ用意する覚悟がないなら、同居なんて軽々しく言うもんじゃない。